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Limit battle/第82話

第82話~伝説始動~


阿神峠の頂上に並べられた2台のFRマシン・・

陽介「さァ・・どうやってスタート決めっかな・・」

由美「じゃァ、あの雲が太陽に掛かったらスタートは?もうすぐ掛かるし。ちょっとでも掛かればスタート。コレは

視力の差でスタート位置が決まるわ。」

陽介「いいな。OKそうしよう。」

2人は車越しでスタートのやり方を決めた・・


しばらくして、太陽に雲が掛かった。

一番最初にスタートしたのは由美のER34であった!

陽介「あー。速い速い。」

彼は少し遅れてスタート!

最初の右ヘアピン!

由美「アンタには負けたくないのよ!」

彼女は勢いを付け、ER34をコーナーとは逆に振る!振り替えしを決めるつもりだ!

陽介「へぇ~。むっかしから変わらないなァ・・そういう所がお前はチャーミングなんだけどなッ!」

彼もまた、由美に合わせ振り替えす!

2台のツインドリフトでバトルが幕を上げたァッ!

ドリフトで入り、ストレートは五分。そして、先行するER34の前に左ヘアピンからの連続ヘアピンカーブ!

由美(私はアンタよりこの峠を走ってるのよ・・アンタが走りを止めて3年!休む事なくね!)

彼女は心の中でそう叫び、ER34を豪快に滑らせる!

陽介「やるね。でも、お前の走りは全て熟知している。伊達にお前と昔走っていたわけじゃない。3年間のブランク

があっても、お前がどのように成長するかなんて見え見えなんだわ!」

彼は由美の走りを完全に見切っていた!ER34がどんな動きをしても必ず同じ動きで付いてくる・・まるで

自分自身とバトルしてる様に思わせてしまうほどそっくりな動き・・

由美(っく・・!コレだからコイツには負けられないのよ・・!譲れないわ!)

彼女の中では何かが作用して走りに現れている。昔、陽介と何があったのかは知らないが、かなりイラ付いている。

陽介「・・可愛い動きしてるな。それだと隙だらけだぜ?ほら・・こことか・・!」

彼は次の左ヘアピンへと飛び込んだ時に開いたER34とガードレールの隙間にS15の車体を捻じ込ませた!

由美「嘘・・!?そんな所から抜けっこないわ!」

だが・・彼女の思った事を裏切るかの様にS15は一瞬でER34とガードレールの隙間を擦り抜け、ドリフト体制へ

持って行く。そして、完全にER34の前に出てしまう。

由美「っち・・!アンタ何時もそんなイヤらしい走りするの!?」

ヘアピンを立ち上がり、次の右ヘアピンへ入る。

そのヘアピンのコーナーでまた差が開く・・そして次の左コーナーでも同じように・・



陽介と由美の勝負は前半の連続ヘアピンコーナーで決まってしまったも同然・・

しかし、由美は諦めず最後まで隙を伺う・・

現在終盤の魔のコーナーを超え、ガードレールが変形している高速コーナー。

陽介「まだ諦めないか・・差がもう100m以上あるのに・・」

由美(アンタには・・アンタには負けたくないのよぉ!!)

彼女の執念は恐ろしかった・・コーナーでリアを擦ってもお構い無し!

陽介「じゃァ、俺はお前をもっと引き離す事にする!」

彼は次の左ヘアピンを珍しくグリップで抜ける!

しかし、そのグリップは、スライドとグリップの狭間であり、タイヤからキュキュキュと音が鳴る。

そのグリップの為、立ち上がり加速が何時も以上にあった。

ER34の前からS15はどんどん遠ざかり、最終的に見えなくなった――


阿神峠麓~

由美「・・完敗だわ・・でも、ここまで完膚無きまでに負けると・・スガスガしいわね。」

陽介「・・ま、負けた理由は一つしかないね。」

彼のその言葉に由美は「何?」っと疑問形で聞き返す。

陽介「それは・・・」

しばらく間を空け、ハッキリとそれを口にする。

陽介「それは・・俺が相手だっただけさ!ナッハハハハ!!」

由美「・・・ウザ」

彼女はそう言い陽介の溝落ちに強烈なパンチを決める。陽介は「ウグッ」っと悲痛の声を上げ、倒れた。

由美はそのままER34に乗ってその場を去った・・


場所は変わり、ここは東京都にある峠・・名を漣。

その峠はかなり狭く、ロングコースで、コース上には枯葉などが沢山撒き散らされており危険。しかも、碌な舗装は

されておらず、ガタガタと不安定。このコースにはストレートと言う物は存在せず、全てが曲がりくねった

ワインディングロード――――。


そんな峠を攻めている走り屋達が居た。

???「おい、大和。今日は何のようだ?」

大和「・・まだメンバーが揃わない。揃ってから話す。」

???「っち・・まァいい。」

その男は青いNSXに寄りかかり腕を組んでタバコを吸い始める。

そう、この男は六条雄輝だ。

しばらくして、2人の前に沢山のマシンが現れた――――


第83話へ続く。


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